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社会人大学人見知り学部

”若林さんが考えるネガティブからの脱出方法”

ネガティブと自意識

2008年のM−1で2位ながら、そこから大ブレイクを果たし、2014年現在もテレビ出演ランキングの4位になるなど、安定した人気のコンビ『オードリー』の若林正恭さんの著書です。 オードリーと言えば、春日さんのインパクトが強すぎてツッコミの若林さんは地味でアメトーークでも、じゃないほう芸人として出演していました。しかし今は、ツッコミの芸人の時代でもあってピンでもコンビでも大活躍しています。私も、活躍当初は、春日さんありきのコンビだと思っていましたが、2009年に始まったラジオ『オールナイトニッポン』を聞いてから、印象がガラリと変わりました。

いじられてこそ輝く若林さん

ラジオでは、主導権を握っているのは若林さんの方だったからです。若林さんが話しの主導権を握っていて、ボケもツッコミもしている印象が強かったです。 今でこそ、春日が本当は真面目だというのは散々いじられていますが、出始めた当初は、キャラを守るのに必死で若林さん自身がいじられるのを必死で防いでいましたが、今では有吉さんだったりザキヤマだったり と若林さんの方をいじって新たな境地を若林さんが開いているように思います。調べてみると、ネタも若林さんが作っていて、そもそもオードリーは若林が主導権を握っているようです。

揺さぶれる自意識。しかしそこに若林さんの魅力がある。

この本に書いている通り、悩みがつきず、考え込み、一人苦悩しては公園で延々考えて悩みの堂々巡りになっている描写があります。これは、売れてからはもちろん売れる前よりもっと前、学生時代から揺れまくる自意識と社会とのズレに苦悩しているようです。 売れ始めた2009年からを社会人1年目とし、そこから自らの自意識と社会とをどう折り合いをつけるか書いています。高校生の頃から、なぜ勉強しなきゃいけないのか分からないと自問自答して悩み考え続けて、いくつものなぜ?どうして?を繰り返します。ブレイクしてからも、他人が書いたCM用の漫才台本を受け取り、当時唯一のアイデンティティと妄信していた漫才を侵略された気がして『これはちょっと違いますね。』と言って失言をしてしまったと後悔し、写真撮影でも上手く笑えないなど、自意識を揺さぶられ続け疲れ果ててしまいます。

たりないふたり

しかし、その大きすぎる自意識が若林の魅力であり強さだと思います。それは『たりないふたり』やアメトークの『人見知り芸人』の回で存分に垣間見えました。 『たりないふたり』では、南キャンの山里さんと共に人見知りで社交性・恋愛・社会性の”たりない”ふたりが、コンプレックスを生かした漫才やコントを披露する番組です。 その番組は、若林さんらしさ満載でした。強すぎる自意識故の人見知りと考え過ぎが故の社会に対する不満を爆発させていました。 しかし、そのネガティブと自意識過剰さが、たくさんの共感と笑いを生み出します。それは、リア充に対するカウンターでもあり痛快でした。

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