”マイナスの感情が名作を作る”
屈折、怒り、不安、マイナス思考。しかし、そこから作品は生まれる
とにかく、著者は生活が苦手で普通のことが出来ないとつづりますが、同時にその不満や怒りや屈折した心が作品に向かいそういったマイナスの感情がないと 表現する意味すらないと書いています。これは、オードリーの若林さん著・(社会人大学人見知り部の感想)でも同じことを書いていました。 作り手側の内的な思考や、怒りや不満、巨大に膨れ上がった自意識といった感情こそが歌にしろ、ネタにしろ、映画などを作る原動力になっているんですね。
『生きづらさを緩和するために表現をするのだし、マイナスがあるからプラスが生まれるわけだし、陰があるから光が美しく見えるのである。』
『不満がなくなり、全てのことに満足したら何もなくなってしまうのだろうないつも思う。』
と著者は書いています。本を読んだ後だからかとも思いましたが、確かにSAKEROCKや星野氏のファーストアルバムを聞くと何か寂しさだったり切なさだったり、しかしそこから差し込む光の温かさを感じました。
あるスポーツドラマでポッキリ折れた心
著者がまだ無名な頃、あるスポーツを題材にしたドラマのオーディションに受かります。 そのドラマは、撮影の前にみんな参加する長い合宿がありその成果を最終回で披露するというものでした。 しかし、著者は運動が苦手で一人落ちこぼれのような状態になってしまいます。 ある時、指導していた教官がみんなを集め、星野がダラダラと特訓を受けているのが気に入らない。みんなの仲間に入ろうとしない。など全員の前で叱責され、 さらに仲間からもダメな部分を責め立てられます。そう言われて著者の心がポッキリ折れたとつづります。 そして、今でも心はポッキリと折れたままだと書いています。
名作『SUN』が生まれた必然
星野源といえば元から有名でしたが、全国的その名を知らしめた曲と言えば、『SUN』だと思います。 今までの曲とSUNが違う所は、この曲の歌詞ってほんとにポジティブなんです。まさに太陽のような眩しすぎるような歌詞なんです。すごく王道だしポップなんです。 すごく、前向きで美しいものを美しいと正面から歌えるようになったのは、大きな病を乗り越えたことが、とてもとても大きいと思います。 言葉に出来ないほど、つらかったはずです。しかし、病を克服し大きすぎる闇から光を観た時に、ここまで明るく美しい歌詞が書けるんだなと感動しますね! SUNが『心がポキっとね』というドラマの主題歌だったのも、めちゃめちゃ合ってますね。