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アーロンヘルナンデスの素顔

”アーロンヘルナンデスとCTE”

ロイド以外に2人も殺した?二転三転する裁判の結果

アーロンの仲間のギャングが、別の殺害事件にアーロンが関わっていると証言しました。その事件は、クラブ遊んで車で帰っていた2人の青年が銃撃されて死亡した事件で犯人が見つからず 迷宮入りしていました。その事件の実行犯がアーロンだったという爆弾証言です。その当時の監視カメラに確かに殺害された2人と口論になっているアーロンのグループが映っていました。 更にそのギャングは、自分も車中でアーロンと口論となり頭部を撃たれたと証言しました。ロイド殺害事件では、車に残っていた銃弾もあって有罪となったアーロン。

終身刑を免れるのは、残りの事件で無罪判決を勝ち取るしかありません。そして、運命の判決日。判決は腕利きの弁護士と何年か前の事件だったこともあり、クラブでの銃撃事件では無罪判決を 勝ち取りました。アーロンは、希望を塀の中から恋人に語ります。しかし、その後アーロンは自ら死を選びました。なぜか?様々な理由が語られましたが、自分のセクシャリティを三面記事に 取り上げられて、表に出てしまったから。その事を同房者になじられたから。アーロンの掛けていた保険金を恋人と子供に残すため。と調べてみたらそういったことが原因だったようです。

CTE。危険な症状と元スポーツ選手の苦悩

なぜアーロンは殺人鬼になってしまったのか?家庭の事情とアーロンの資質の他にCTE(慢性外傷性脳症)が原因だと語られる場面があります。CTEとは、脳しんとうのような脳に揺れる動作を 繰り返すとダメージが脳に残って記憶障害や暴力性と衝動性など人格にまで影響が出る極めて危険な症状です。ボクシングでは、昔から語られていたパンチドランカーの正式な病名です。 CTEが危険だと分かったのも、繰り返す脳しんとうが原因なのも近年分かったことで、今でもどのくらい危険なのか影響は議論されているようです。CTEで障害が残っていると語る元NFL 選手もでて危険性を語りますし、逆に「CTEが原因で人を殺すのはおかしい。なぜならアーロン以外に人を殺した選手はいないじゃないか。」と語る元選手も出ていて、CTEが直接の原因だと このドキュメンタリーでは断言しません。ただ、アーロンの死後の脳は、非常に小さくなっていてアーロンがCTEだったのは、確実なようでした。 そのチームでバリバリ活躍した超人が、実は殺人犯だったら?という嘘のような実話です。

骨太で濃厚なドキュメンタリーシリーズ

アーロンが殺人鬼になったのは、アメフトのせいなのか?家庭のせいなのか?恐らく、その両方と本人の資質がこの事件を起こしたのでしょうが、殺人からCTEとコンタクトスポーツの危険性。 大学スポーツの生み出す金額の大きさと、その勝利至上主義と大学の為に個人を犠牲にしてしまうメカニズムにもふれいて、1時間×3話と濃厚で重く淡々と進みエンターテイメント性は少ないですが とても良質なドキュメンタリーでした。

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