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ファイヤ

”映画から探るSNSと承認欲求”

パリピによるパリピのためのサービス”FIRE”

始まりは、実業家のビーリー・マクファーランドとラッパーのジャ・ルールが共同で発表したプロジェクト「FYRE」。有名な芸能人やアーティストのパーティなどへの出演を簡単に予約できる というサービスを提供するアプリです。このFYREというアプリを大々的に宣伝するため、ファイアフェスティバルという音楽フェスを開催します。このファイアフェスティバルが後に大惨事を起こします____

「ファイアフェスティバル」は、場所はコロンビアの元麻薬王パブロ・エスコバルが昔所有していたバハマの島で行われ、ラグジュアリーでゴージャスなヴィラに泊まりながら音楽パーティ。 このコンセプトを紹介する動画にベラ・ハディッドやケンダル・ジェンナーなどのスーパーモデルが出演して、モデル個人のインスタで一斉に動画や写真を投稿、世界中のファンたちの間でまたたく間に話題となります。 高額なチケットはバカ売れ。次々に広告会社から投資を呼び込み、ソーシャル宣伝は大成功です。

ずさんな運営。そして大惨事がおこる

しかし、現実の準備は全く進んでいませんでした。フェスの準備期間が短すぎて、コンセプトとかけ離れます。 元々の島が使用不可になり、別の小さな島の一部での開催に変更。ヴィラも作ることが出来ず簡易ベットに。食事も料金をケチって、ひどいサンドウィッチに。 人手が足りず、地元のバハマの人々を駆り出して突貫工事。フェスの担当者のできるだけの努力もむなしく、開催前からひどい有り様でした。

参加者からの問い合わせも返信できる状態ではなく、批判的なコメントは削除していき、すべてを参加者に隠します。 そして、フェスの当日。参加者は、インスタにあがっていたイメージとまったく違う現実を目の当たりにするのです。当然、フェスは一日で中止になり、史上稀に見る大惨事フェスとして SNSで大きな話題となりました。

首謀者ビリー・マクファーランド

ビリー・マクファーランドは、なんでこんな男に騙されるのか映画をみてもよく分かりませんが、インタビューを受けた関係者は皆、天才的な語り口と態度にしてやられたと語ります。 実際に、25歳前後で何千万ドルを集めて、ジャ・ルールとつながり、SNSで話題を一時的に独占したところをみると、すごい能力をもっているようです。しかし、自分の持っている能力以上の 規模の会社の運営はできず、一気に会社を大きくしようと嘘をつきつづけた結果、マクファーランドは、刑務所に入ることになりました。

SNSで実際の生活より少し背伸びした写真や動画をあげている人々がたくさんいます。現実の生活よりも華々しくて豪華な自分をSNSでは演じて、多くのlikesをもらうこと。 承認欲求は、みんなにあると思いますが、大きすぎる承認欲求は、ときに身を滅ぼすとこのドキュメンタリーをみて学びました。

”FIRE”とは何だったのか?担当者は語る

最後にフェスの担当者は語ります。
”「自分の投稿をあらためて見てみると、美しい海辺と日没だらけ」
「わかる?人生で最も辛い体験だったのに、もし君が写真を見たら、”すばらしい”、”バハマに住んで毎日海を見に行ける”」
「ファイアはそういう現象の究極だった」”
別の関係者は、
”「ファイアフェスは2回あったと思う」
「まずは動画の撮影時。あの動画がみんなの望み。」
「そしてその後のパーティ。6000人じゃなく60人が楽しんだだけ」”
この二人のインタビューでの言葉がファイアという現象のすべてを語っていました。

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