ロゴ

ビハインドザカーブ

”地球は丸い。それは嘘だと信じる人々”

科学者は数字で攻めてくる

Netflix発ドキュメンタリー。地球は丸い。みんなが知っている当たり前の事実。それは政府の陰謀で地球は平面だ。と言い張りインターネット上で活動している人々 がいる。地球平面説という珍説ですが、アメリカには、本気で信じて平面説を広めようとする人々を追ったドキュメンタリー映画です。

主人公は、マーク・サージェント。母と同居しながら、You Tubeなどで平面説を広める活動をしています。「科学者は数字で攻めてくる。」「CIAがウラにいる。」という お決まりの陰謀論のパワーワードを説明しながら、マークは、平面説活動の人気者でグッズを作ったり、同じ、活動をしているパトリシアという女性と 仲良くなったり、平面説のスポークスマン的役割を楽しんでいます。そんなマークを母は心配しつつも見守っている様子。

平面活動家の中での批判と反論

もともと、地球平面説はマット・パワーランドという男が最初に発表したと自称していました。マットもインターネット上で活動していて、アート活動や陰謀論のトーク生配信を してファンも多数いたようです。ただ見た目も言動もエキセントリックで、異論を唱える人や批判的な人に対して、かなり過激な言動で威圧してます。

一方、マークやパトリシアは見た目も普通で穏やかな中年で、マットよりは敵も作りにくいのでマットの放送から、マークやパトリシアの放送にリスナーが流れていたようです。 マットは、マークやパトリシアを自らの放送で大批判。その影響で、パトリシアの放送にもアンチがチラホラと出てきます。パトリシアは、「私もCIAの手先だと批判される。彼ら(批判してる人々)は、デマを流している自覚があるのかしら?」とまさにどの口が言う!状態。

仲間を失うことの方が人々にとっては重大

地球平面活動家の中でも、お互いを批判し合う内ゲバがネット上で起こっています。新興宗教やカルトとたどる道は一緒なんだなぁと。放送やSNSのアカウントのフォロワーの 多さと影響力。現実の社会で上手くいってなくて、平面説を現実の知り合いに話せば鼻で笑われる。だけど、ネットの中では自分を肯定してくれる仲間がいる。その仲間を他の平面説放送者に取られた焦りと嫉妬。そんな理由から、同じ説を信じていたはずなのに敵になってしまう。

社会からはみ出てしまった人が、その不満を政府の嘘や世界の不正を陰謀論という形で吐き出しガス抜きしていたところにネットには、たくさん同じ気持ちの人がいる。 同じ考えの人とだけ交流していると陰謀論もいつかホントなんだと信じ込みもっと過激な陰謀論や行動に移ってしまう。もはや、地球が平たいかどうかより、おなじ平面説の仲間の信頼 を失うことのほうが、辛くて悲しいんだろうなと最後のマークのインタビューを観て思いました。

信じるか信じないかはあなた次第です

You Tubeで人気コンテンツの都市伝説。テレビでも「やりすぎ都市伝説」として大人気で今もスペシャルが改編期に放送されています。 芸人さんの話術と編集が素晴らしく、どれもすべて本当かのように思ってしまいます。バラエティでエンターテイメントですから事実も誇張もあるでしょうし、都市伝説として楽しめるんですが、それを本当だと信じてしまう人もいるでしょう。すぐネットを調べれば、それを裏付けるブログやSNSも見つかります。

こういった陰謀論や都市伝説を半信半疑で娯楽として消費するか、事実と思い込み、ありもしない事に粘着して批判を繰り返してしまうのか。情報があふれた現代で取捨選択できるリテラシーを持つことがネットと社会に対する正しい姿勢だと思います。 とても難しいことかもしれませんが・・・

こちらもオススメ