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くすぐり

”怖い。恐い。とにかく怖い。くすぐり我慢大会の奥に潜む闇”

おもしろ動画の取材かと思いきや、、、

2016年ネットフリックス公開。監督デヴィット・ファリアー。ニュージーランド制作のドキュメンタリー映画です。 とにかく怖いらしいとネットでの評判を見て、ネットフリックスに入会して観ました。ニュージランドでロバおばさんとか、町のおもしろい記事を書いている記者(デヴィット・ファリア)が、”くすぐり”の動画をみつけておもしろそうと取材を開始します。 しかし、取材を進めるうちに、くすぐり我慢大会を主催する会社が登場。そこから、恐怖の事実が次々と明かされていきます。

”くすぐり”の制作のきっかけ

くすぐり我慢大会を主催してる会社”JOM(ジェーン・オブライエン・メディア)”は、くすぐり我慢大会の参加者を世界中で募集していて、 審査が通ればLAまでの航空券、ホテル滞在費(4泊)、1500ドルの報酬がもらえます。すごく、特典が豪華です。おもしろいと思ったデヴィット・ファリアはJOMの主催者ジェーン・オブライエンに取材を申し込みました。しかし、この申し込みに対する返信がもうヤバイ。。数々の罵りとファリアへの個人攻撃の言葉が並んでいました。逆にファリアは、たかが”くすぐり”動画の取材メールなのに、この攻撃は何なんだ!? とこの顛末を記事にしたところ大反響!!ドキュメンタリーとして制作がスタートしました。

くすぐり我慢大会とは!?

ファリアが見つけた”くすぐり我慢大会”の動画は、おそろいのTシャツと短パンを履いたマッチョな若い男の子が、 ベットの上で手足を固定されて、同じ衣装の若い男の子たち数人がくすぐります。ただ、それだけの動画です。 その取材を異様に恐れる理由は何だ?と調査を進めると、JOMの弁護士から調査を辞めないと訴訟を起こすぞと脅されるんです。

この時点でかなりヤバくて怖いですが、ファリアと友人のディランは、何とか取材を進めていきます。 ニュージーランドにわざわざJOMで働いてる3人(メチャメチャ怪しい)が来て、もう取材はやめなさいと圧力をかけてきますが、もっと、もっと取材を進めます。 この時点でどうなるか分からないし、得体の知れない怖さがあるのに、どんどん行動するファリア達取材班が素晴らしい

くすぐり取材inアメリカ

実際に、くすぐり我慢大会の参加者に取材を申し込みますが、ほとんどの参加者が断られます。ただ、TJと名乗る人物だけ取材に答えてくれました。 TJによると、くすぐり我慢大会には、報酬目当てで参加したが動画としてyoutubeに公開されるのは、違反だと。 くすぐり我慢大会の動画を公開することを参加者の許可は得てなかったんですね。TJ本人がyoutubeに削除依頼を出して動画は削除されます。

が、それに怒ったのは、ジェーン。そこから恐怖の個人攻撃が始まります。動画の拡散、個人メールに、家族へのメールやTEL。勤務先にすら攻撃してくるんです。 執念深さと執着、粘着。めちゃめちゃ怖いです。他の参加者もこれがあるから、取材に消極的だったんですね。

くすぐりフェチ

取材を進めると、ジェーンとは別の人物がインタビューに答えてくれました。リチャード・アイビーさんで、くすぐり動画専門の販売サイトを管理しています。 自分の家で、くすぐり動画を撮影して販売して利益を上げてます。それがもう立派な家で、儲かってそう。。。くすぐりフェチ。とても狭いフェチズムだけど、 分かる人も結構いるんですね。動画撮影シーンを取材します。若くマッチョな男性が手足を固定されて、こちょこちょやられるんです。その身悶えぶり。。。 これを喜ぶ人たしかにいそうではあります。

アイビーさんがいつから、”くすぐり”に興味を持ったかというと、もう子供の頃からだそうです。 大人になってネットができて、くすぐりフェチの掲示板で同じフェチを持った仲間と交流をしていたそうです。その仲間で、色んな掲示板に書き込みをしてる人物がいました。 テリ・ディシストと名乗る人物です。

テリと名乗る大富豪

テリは、デイブ・スターというスカウトを雇い、1990年頃から”くすぐり”動画を撮影してました。テリは女性で、デイブにメールや手紙で指示をしてくすぐり動画を撮っていました。しかし、デイブがくすぐり動画撮影を辞めたいと申し出ると態度が一変、メールや手紙での嫌がらせが始まりました。 撮影を断った参加者にも同様の嫌がらせがありました。1990年当たりのテリの事件と今回のジェーンの事件。不自然なほど一致。 テリとジェーンは同一人物ではないのか?テリもジェーンもくすぐり動画で稼いでる様子もないですし、そもそもかなりの資産家であるようです。

事業として稼いでないのに、多額の資金を投入してくすぐり動画を撮っている。ただの金持ちの道楽にしては、断った参加者に執拗に付きまといメールや電話で嫌がらせをする。 ここまで、執拗で悪質な嫌がらせを続ける理由もわかりません。更にテリの事件を調べていくと、この事件を取材して記事にした記者が、テリの正体を突き止めていました。 そこには、今回のくすぐり事件にもつながる恐怖の真実があったんです!!

理解できないものが一番怖い

この映画を最後まで観てもくすぐり事件がすべて解明されるわけではありません。犯人と疑わしい人物に、突撃インタビューを試みますが否定して、 その場を立ち去ります。結局、何のために動画を撮影し続けていたのか?そこまで、執拗に脅してくるのか?分からないんです。 ”くすぐり”から始まって、現金や物でつって参加者の若者を支配して、断ると強烈な攻撃が行われる。犯人は一体どういう人物なんでしょうか?

犯人は、父親が大手法律事務所の共同創設者で、莫大な遺産を手にしていて、それをくすぐり我慢大会につぎ込んでいました。 犯人自身も、今は法律事務所の上級顧問を務めてるそうです。映画のラスト、犯人の継母に電話インタビューを行います。 実母が異常に過保護で、怪我をすることを極端に恐れていた。幼少期にずっとイジメられていて、みんなの笑いものだった。 元教師だったが追放された。継母自身も怖いと語ります。少しだけ、犯人の人物像が分かってきました。 犯人は、くすぐり動画を撮ってその後、若者を支配して逆らえないようにする。強烈な支配欲と力の誇示が見てとれます。

単純な好奇心でくすぐり我慢大会を調べると、出てきたのは恐ろしい事実と犯人のフェチズムの狂気と闇。分かりやすいホラーより、よっぽどホラーでした。 理解できないものが一番怖いような、、、、。この映画を見てそんなことを思いました。 終わり

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