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キャッチミーイフユーキャン

”世界を股にかけた超豪華な鬼ごっこ映画”

痛快なだまし合い+ディカプリオの悲哀

主演は、レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクス。監督はスティーブン・スピルバーグ。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は日本語で、「できるもんなら捕まえてみろ」。 文字通り、国を股にかけた捜査官ハンラティ(トム・ハンクス)とフランク(レオナルド・ディカプリオ)の鬼ごっこ映画です。 天才的な詐欺師のフランクは身分を偽り、小切手詐欺や信用詐欺を繰り返す。背景には、フランクの父の会社が上手くいかず、融資を受けるために銀行に嘘をつく父と健気についていく息子のフランク。

母と父は別れてしまい、母は更に父の元を去り、父の友人の弁護士と結婚してしまう。フランクは、父と母がお金で別れて失敗したのを知ってるので、詐欺を繰り返し大金を手にして家族を取り戻そうとしていたように思います。自分のためというよりは、父の為に詐欺を行っている。自分が、ハンラティ捜査官側よりフランクに感情移入してしまうのは、 根底にあるフランクの善意が描かれているからでしょうか?

奇妙な絆

フランクは、ハンラティから追い込まれますが、とにかく逃げます。しかし、クリスマスイブ。フランクはハンラティに電話を掛けます。最初は、挑発だと思ったハンラティですが、その後、何年かに一度話すうちに、フランクとハンラティには、奇妙な絆が生まれます。そして、終盤ついにフランクをフランスの工場で捕らえたハンラティですが、もう父親のような 優しさです。フランスからの移送中、父の死亡を聞かせられたフランクは、絶望してトイレに行きますが、それすらも利用して逃げました。懲りないフランクが逃げて、最終的に行き着いた先は、母が住んでいる家でした。窓ガラス越しに写るのは、幸せそうな母と新たな夫。そしてその間に生まれた小さな娘でした。フランクには、帰る場所はもうないのです。

静かに捕まるフランク。刑務所でフランクに、面会に来るハンラティ。面会中、他の小切手詐欺を見破ったフランクをハンラティは、FBIの自分の部下に推薦します。 刑務所をでてハンラティの部下になったフランク。しかし、また逃げようとします。それも見破ったハンラティ。ほかの警官には言わず、フランクを信用するハンラティは、きっと君は戻ってくるとフランクをそのまま逃がすのです。そして_____。

父と息子、フランクとハンラティ

一度ならず、何度も裏をかき逃げるフランク。ハンラティの部下になってもフランクを騙そうとしますが、ハンラティはフランクを信じています。フランクの父が亡くなって ハンラティが父親代わりのような役目をになっているよう。悪事を重ねてもなんか憎めないフランクをディカプリオは見事に演じてます。トム・ハンクスの真面目な捜査官役も絵になります。

よくアメリカ映画で犯人を、罪を軽減する見返りに警察側で働くようヘッドハンティングするみたいなシーンがありますが、そういった制度がアメリカにはあるんでしょうか。 IT業界でも悪意あるクラッカーが、セキュリティ側の会社に入るのは、ニュースで何度かみたことがあります。『一度やった者は、またやる』と考えるのか『一度失敗した者に、再チャンスを』 と考えるか。キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのように上手くいけば、いいですけどね。

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