愛すべきB級映画!有名俳優のムダ遣い
原案はトレーディングカード
1997年3月20日に日本公開。監督はティム・バートンで主演はジャック・ニコルソン。なんの説明もなしにこの映画を観るとただのB級映画でつまらないと思う人も多いと思います。しかし、ティム・バートンはあえてB級映画へのオマージュとして制作したようです。原案は、1962年に販売されたトレーディングカードで子供の頃にティム・バートン自身がファンだったことから制作しました。
SF映画のお約束は破られる!
他の映画と違うのは、出演者がとにかく豪華なことです。ジャック・ニコルソンにグレン・クロース。ピアース・ブロスナン、ダニー・デヴィート、ナタリー・ポートマン、マイケル・J・フォックスに売れる前のサラ・ジェシカ・パーカーとジャック・ブラックも出ています。トム・ジョーンズも本人役で結構長く出てます。この豪華な出演者のほとんどが、死にます。しかも割とあっさり死にます。映画のお約束だと主演クラスの俳優は見せ場が用意されてると思うんですが、それもなくあっけなく死にます。
人間は滑稽に。宇宙人はゲスに。
この映画と同時期にインディペンデンス・デイも制作されていて、インディペンデンス・デイと対比してみるのも面白いと思います。マーズアタックに、英雄的な人物は出てきません。ラスト近くに宇宙人の弱点が偶然発見されるんですが、えらい学者でもなく軍人でもなく、普通の一般市民でした。しかも気が弱く、家族のつまはじきものにされている少年とボケはじめたおばあちゃんです。
この家族は、両親と兄がいるんですが軍人になった兄(ジャック・ブラック)と出来の悪い弟と言った感じで、両親に嫌われている弟が図らずも、地球を救うことに、、、。一方の兄は、宇宙人とのファーストコンタクトの場であっさり光線銃で殺されてしまいます。この場でリポーターのマイケル・J・フォックスも死にます。
大統領(ジャック・ニコルソン)側は、タカ派の軍人とハト派の学者(ピアース・ブロスナン)が対立しハト派の意見をとって、宇宙人と友好的に協定を結ぼうとしますがあっさり決裂しピアース・ブロスナンは、宇宙人にさらわれ実験されてさいごはあっさり死にます。ジャック・ニコルソンも宇宙人対策に右往左往しますが、何ら効果的な方法もなく死にます。このように、人間側はことごとく滑稽に描かれています。対する宇宙人も高度な科学力を有しているはずですが、基本ゲスいです。犬のチワワと人間をくっつけて大笑いするし、なにかあるとすぐ光線をぶっ放します。
怪獣映画への愛があふれるオマージュ
ティム・バートンといえば、ダークな作風とファンタジーと一貫してますがことこの映画に関しては、やりたいことをやった感じです。この感想を書くにあたって色々調べたんですが様々な風刺とオマージュに溢れています。ラストなどは、ゴジラ等の特撮映画へのオマージュだったそうです。それを知らないで観たために唐突な宇宙人の弱点とラストに困惑していたんですが、調べた結果やっと意味がわかりました。やはり、作家監督ティム・バートン一筋縄ではいかないですね。