”サスペンス+料理+人間ドラマ!?監督ボブ・ジラルディが仕掛けるミステリー”
『ディナーラッシュ』厨房はシェフにとっての戦場だ!
2001年公開の『ディナーラッシュ』。監督はボブ・ジラルディ、主演はダニー・アイエロとエドゥアルド・バレリーニです。しかし、色んな人物が一夜に集い人間模様が絡みあうストーリーなので見る人によって感情移入できる人物が違うと思います。この映画で私が気になったのは、理由は後述しますがバーテンダーのショーンとウエイトレスのマルティです。
映画の舞台レストラン『ジジーノ』とボブ・ジラルディ監督の上手さ
舞台は、ニューヨークのトライベッカにあるジジーノという名のレストランです。この舞台のレストラン・ジジーノは、実際に監督のボブ・ジラルディが経営に携わっている店だそうです。ボブ・ジラルディは、CMやミュージックビデオの監督として有名だそうで、今作での大忙しの厨房のシーンと忙しなくウエイターたちが行き交うホールのシーンなどの疾走するスピード感、その間流れるBGMの優雅なムードとコントラストが効いていて好きでした。
個人的に好きなシーン
好きなシーンは、色々とあるんですがまずは厨房の料理シーンです。主役であるシェフのウードが指示を出し、他のシェフが大忙しで料理を作っている所に副料理長のダンカンが遅れて登場します。ダンカンは、ウードと折り合いが悪いらしくウードの指示に従わずオーナーと仲間に出す料理を作りだします。ここで作るソーセージの料理がめちゃめちゃ美味しそうなんです。パパっと作るシーンなんですがそのシーンだけで、副料理長としての確かな腕があるシェフだと一見して分かります。
一番店が混みあうディナーの時間帯の厨房はまさに戦場のようで、目まぐるしく変わる指示に付いていくだけでも大変な中ベテラン達は淡々と作業をこなしています。料理人の職人気質が垣間見えて素晴らしかったです。
サスペンスなのか!?料理が織りなす人間模様(あらすじ)
この映画は、雪の積もる中おじいちゃん(エンリコ)が孫を迎えに行って帰る場面から始まります。おじいちゃんは、何者かに付けられているのを感じ、孫を預けて逃げようとしますが、二人組に追い詰められて殺されてしまいます。この殺害されたエンリコの親友がダニー・アイエロ演じるジジーノのオーナー(ルイ)です。ルイは、経営するレストランの経営権をよこせとギャングに脅されています。このギャングは、ジジーノの副料理長ダンカンに多額の金を貸し付けていました。ダンカンは、どうしようもないギャンブル狂だったんですね。
ギャングは、貸付ている金を盾にジジーノの経営権を得ようと画策していました。そして、雪のシーンからジジーノのディナーの時間帯に場面を移します。かなり混んでいるらしく満員で外には行列ができていました。そこに予約があっさり取れた刑事とその妻。エンリコを殺したギャング。バーにいる普通の証券マン。ニューヨーク1の料理評論家。影響力を持つ常連の画廊のオーナーと仲間たち。彼らとその裏で働くジジーノの店員が織りなす一夜の物語です。
魅力的なバーテンダーとショーンとウエイトレスのマルティ。
様々な登場人物がいる中で気になった俳優は、バーテンダー役のショーンとウエイトレス役のマルティです。雑学王で、答えられないクイズはないかのごとくバーに集まる客のクイズや質問にいとも簡単に答えてしまいます。その場面がバーテンらしい機知に富んでいて好きです。ウエイトレスのマルティは、画家を目指しているらしくジジーノには彼女が書いた絵が飾られています。そこで、客としてきた画廊のオーナーとのやりとりに気の強さがでていて、個人的に好きでした。
マルティ役は、サマー・フェニックスという女優さんでリバーとホアキン・フェニックス兄弟の妹らしいですね。さらに、ベン・アフレックの弟のケイシー・アフレックと結婚してるんです。なんだかすごい家系になりましたね!後、主演クラスのオーナーの息子で、看板料理長のウードも顔に色気があって売れそうだなと思ったんですが、今はそこまでブレイクしてないですね。料理人の映画とか料理が出てくる映画って好きなんですが、サスペンスフルに描かれている映画は珍しいです。