”監督ルッソ兄弟の物語とキャラクターをまとめ上げる手腕”
MCUとは何か?と観る前の正直な気持ち。
2018年4月27日に日本で公開しましたアベンジャーズ3。ムビチケカードで観てきました。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)と名付けられた「アイアンマン」から始まるマーベルヒーローのクロスオーバー作品群です。映画の世界観が共有されてる為、他の映画のヒーローが参戦しやすいですし、「あの映画とこの映画のここがつながるかぁ」と次の公開映画への期待も膨らんでついつい観ちゃいます。けど、こんなん書いてますが自分、途中で脱落組です_____
自分がMCUで観ていたのは、アイアンマン全3作、キャプテン・アメリカ1と2、アベンジャーズ1、スパイダーマンホームカミングとガーディアンオブギャラクシー1だけでした。いやーちょっと観ない間にめっちゃ出ていてもう全部観るのつらい。だって今現在18作あるんですよ、MCUって__。今作も面白いと評判でしたが、「前の作品結構観てないけど、どうだろうなぁ。」と若干のネガティブな気持ちを抱えたまま映画館へ向かいました。
アベンジャーズ3はおもしろい?
せっかく観るからには、少しでも分かってようと思い徹夜でアベンジャーズ2を観てから、ネットでMCUの歴史をおさらいしてから挑みました。今回のアベンジャーズ3。結論から言うと、「めちゃめちゃおもしろかった」。おさらいしてて良かった。徹夜して2観といて良かった。今作は、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」のエンド後から物語は始まります。「マイティ・ソー/バトルロイヤル」は観てないんですが、ネットで下調べしたのもあってすんなり物語に入り込めました。
ざっくりストーリー
宇宙に散らばった6つあるインフィニティストーンを集めれば、全能の力を得て、指パッチンで宇宙の全生命の半分を消滅させるほどの力を持つことができる。サノスの目的は、人口が増えすぎてバランスを失った(サノスはそう思ってる)宇宙を救う事。サノスは自身の考える正義の為に、インフィニティストーンを集めていきます。アベンジャーズ1やガーディアンオブギャラクシーでは、手下を使いインフィニティストーンを集めていましたが、とうとうサノス自ら動きインフィニティストーンを回収していきます。6つサノスが手に入れれば、宇宙の半分の生命が死んでしまう。それを阻止するのが、アベンジャーズです。
アベンジャーズ3は、サノスの物語
今作の主役はサノス。といっていいほどアベンジャーズ3の敵役サノスの今作における存在感は抜群です。インフィニティストーンの1つ、四次元キューブを奪うためにマイティ・ソー/バトルロイヤル」のエンド後、マイティ・ソーとアスガルドの民の乗った宇宙船をサノス率いる軍が襲ってきます。ソーの大ピンチにかけつけたのが、ハルクです。ハルクは、アベンジャーズの中でもステゴロ最強で、バキでいう花山薫みたいな存在です。1対1に無類の強さを誇るハルクですが、サノスは、そのハルクをバチボコにして殴り倒してしまいます。
この序盤のシーンだけでサノスの強さが際立っていて素晴らしいオープニングだと思いました。邪悪で無慈悲で命を奪うことに何のためらいもなく鬼のように強いサノスに感情移入できないと最初思いましたが、それも間違いでした。6つあるインフィニティストーンの中でも、ソウル・ストーン(オレンジ)は、愛する人を犠牲にしなければ手に入らない仕様です。
人類の選別。生か死か!抽選に挑戦
サノスには、愛する人などいないはず。そう思っていましたが、サノスにもいたんですねぇ、愛する人が。愛されてる本人すら分からなかったサノスの愛です。ただ、目的のためには涙を流しながらも、愛する人をサッと犠牲にするあたり、やはり最凶のサイコパス______。宇宙の全生命の半分を消滅するのも、富のあるないにかかわらず、完全に抽選みたいに消滅させると宣言するし、サノスには強烈な道徳的信念があって、サノスもただの宇宙を支配したいとかいう分かりやすいヴィランではないところも面白いです。
世界征服が目的の悪役がでる映画ってよくあるんですが、そんな設定の映画を観るたびに、バカリズム氏のこのコントを思い出します_____。悪役も主人公もその行動を起こす動機って大事だと思うんです。個人的には、動機に矛盾があるとそこが気になって、中々映画に入っていけません。
監督ルッソ兄弟の巧みな企み
アベンジャーズ3の監督は、ルッソ兄弟。キャプテン・アメリカ第2作「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」の監督に抜擢されて、キャプテン・アメリカ第3作「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」と今作アベンジャーズ3と次作アベンジャーズ4の監督さんです。ルッソ兄弟は、アメリカのコメディドラマの「コミ・カレ!!」を監督していて、制作のケヴィン・ファイギに見出されたらしいです。アベンジャーズ3もストーリー的にもめちゃシリアスなんですが、スパイスとしてギャグシーンが入ってます。ドラッグスの透明お菓子ギャグシーンはめちゃめちゃ良かったですね。コメディドラマを撮った経験が活きてるんでしょう。
アイアンマンにキャプテン・アメリカにドクター・ストレンジにガーディアンオブギャラクシーにetc...とキャラクター祭りなのに、キャラの持ち味が消えること無く、共演しての違和感もないですし、ストーリーの整理もすごく巧みです。アベンジャーズ側のヴィジョンとスカーレットが襲われる戦闘シーンでは、場面を素早く切り替えつつスピーディーな戦闘で盛り上がるし、助っ人アベンジャーズが来るシーンも上手くて引き込まれます
なんだかんだワカンダ
ヴィジョンの額のインフィニティストーンがサノスにとって最後の石です。この石を取り出すことができるのが、「ブラックパンサー」の主人公でワカンダ王国の国王ティ・チャラの妹で天才科学者シュリちゃんしかいません。ワカンダ王国で、額の石を取り出して守ろうとするアベンジャーズ地球組と石を狙うサノス組のガチンコ対決がクライマックスです。ここの戦闘シーンもほんっとに素晴らしい!!ガーディアンオブギャラクシーのロケットとキャプテン・アメリカのバッキー(ホワイトウルフ)の銃の共闘も良かったし、ハルクがハルクになれずにアイアンマンのハルクバスターで出撃するのも、良かったです(ハルク変身しろ)。敵のクリーチャーの造形もいい感じで気持ち悪くて、文句の付け所がありません!
アベンジャーズ3=ドラゴンボールZ説
アベンジャーズ3を観た後に話のストーリーを追ってくとドラゴンボールZに似てるなぁと思いました。宇宙の星を滅ぼしていくサノスがフリーザで、インフィニティストーンがドラゴンボール。地球を守るのが、アベンジャーズことZ戦士。王道の展開だからこそ分かりやすくてテンションも上がりますね。ただし、アベンジャーズ3のラストは王道から、かけ離れた展開をみせます。マジでここで終わりっ!?って思いました。つなぎではなく独立した3として良く出来てるし、4への布石としても、ちゃーんとよく出来ております。