懐かしのエディー・マーフィー、相変わらずの多役。(コメディ)俳優のキャリア形成の難しさ。
テンポの良い展開とストーリー
1988年12月17日日本公開。エディー・マーフィーの全盛期の作品です。私が幼いころ、エディー・マーフィーは、人気に少し陰りが出た時期で、地上波のロードショーで「ビバリーヒルズ・コップ」などがやっていて、少し前のスターって感じのイメージでした。実際に1990年台は、一時期人気が低迷してたようで、その頃のエディーマーフィー作品ってよく分からないです。「星の王子ニューヨークへ行く」は、一番エディーマーフィー自身も勢いがあった頃の映画です。何気なくレンタルしてみました。
ストーリーは、架空のアフリカの国のアキーム王子(エディーマーフィー)が、自分で何一つ決断させてもらえない事に不満があり、花嫁まで父である国王に決められてしまいますが、自分の奥さんは自分で決めたいと、世話係のセミ(アーセニオ・ホール)を連れてニューヨークに花嫁探しに行くストーリーです。時間も1時間 57分で、ニューヨークへ行く→アパートを借りる→理想の女性を見つけバイト先を決める→なんやかんあって→ハッピーエンドと流れもテンポよくて、とても見やすかったです。
ラストの地下鉄フられからの落胆、諦めて地元へ帰って決められた花嫁と結婚式ってところでからの_____ハッピーエンド。の流れも楽しいです。今作もエディーマーフィーお得意の1人4役演じてます。やっぱり達者です。気付かなかったですが世話役のセミ(アーセニオ・ホール)も4役演じてたんですね。気付かなかった___。
配役も良い!特にいいアーセニオ・ホール
エディーマーフィーも器用で、今作でも抜群のマシンガントークと七変化ぶりでした。エディーマーフィー以外で印象的だったのは、世話係のセミ演じるアーセニオ・ホールです。収監前のウェスリー・スナイプスみたいな、いい顔をしております。ニューヨークのクイーンズ地区(クイーンがいそうってことで)に行きます。クイーンズは荒れた地区らしく王子の希望で、狭くて汚いアパートに2人で住むことになりますが、セミは不満タラタラ。我慢できずに国に電話して、ものすごい額を振り込ませてアパートを贅沢に改築してしまうところとか、王子も呆れますが、憎めない表情と笑顔で許しちゃいます。アーセニオ・ホールちょっと好きです。
1990年代の半ばまで放送されていた「アーセニオ・ホールショー」という番組でも活躍してたそうです。でも、「星の王子」以外、世界中でヒットするような映画には出てないんですね。もったいないです。恋敵のダリルも最初、いけ好かないですけど、ヒロインとヒロインの父からのフラレっぷりはなかなか可哀想でしたが痛快でもあります。(その後、ヒロインの妹にいくリカバリー能力)
トップコメディアンは楽しい!おもしろい!だけでは難しい
近年のエディー・マーフィーは、どうでしょうか?あの頃と比べると苦戦している感は否めません。「シュレック」シリーズの声優とか「ドリームガールズ」「ナッティ・プロフェッサー」「ドクター・ドリトル」シリーズは、興行成績も評価も上々だったみたいですが、他は興行面でかなり苦戦しているようです。コメディ俳優のド真ん中で主役を張り時代の寵児になった人物が、年齢を重ねるにつれ、シリアスなドラマ方向に進むのは当然の流れで、自分の中の飽きのような状態もあるでしょうし、違うことをやりたくなるのは、当たり前でしょう。
ジム・キャリーもトップコメディ俳優でしたが、「トゥルーマン・ショー」や「エターナル・サンシャイン」で喜劇と悲劇の間のような幅の広い素晴らしい演技をしてますが、近頃は、トップ中のトップとは言い難いです。他にも、ロビン・ウィリアムズ(故人)しかりアダム・サンドラーしかり、コメディアンとしての良さをだしつつ、役柄の幅を広げていくことによって、俳優としてのキャリアを重ねていきましたが、笑える楽しい映画に出続ける厳しさを感じます。 ローワン・アトキンソンもミスタービーンを今は演じてないのも、自身の飽きと観客が思うマンネリがあるのかも知れませんね_______。
変わる
コメディ俳優は、何度もその姿を変えて売れなきゃいけないって大変だ_____。それは、イケメン俳優や美人女優にも言えることで、歳を重ねて役柄の幅を広げる必要があるけど、上手くいかないことも当然あって、それでもキャリアアップするには、変わり続けないと生き残れない過酷な世界なんでしょう。でも、変わり続けないといけないのは、どの業界でも一緒ですね。「変わり続けないといけない。」